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- 2月
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私が、社会福祉法人旭川荘療育センター児童院で保育士として働いていたころ、最後に勤務したのは、超重症児病棟でした。
その時担当した和基くんは、寝たきりで視覚障害もありどちらかというと障害の重い方でした。食事介助も時間がかかる子どもさんで、あんまり食べないときはレビンで栄養注入をしていました。でもできるだけ口から食べさせてあげたいというお母さんの願いを知っていたので、私もできるだけ口から・・・・とおもい一生懸命介護させていただきました。
それでも最初は、言葉もない、目も見えない彼のことがわからず、簡単な介護ではありませんでした。じっくりゆっくりかかわっていると、だきあげると私の髪の毛をつかみ、誰が来たのか確かめる動作をすること、味の濃いもの甘いものはゆっくりだけどおいしそうに飲み込むことなど、だんだん解りだし食べてくれることが大きな励みになっていました。心と心で解り合えるんだ!ということを彼からおしえてもらい、毎日の保育や学校生活の中で少しずつ成長していく姿に、命はどんどんいろんなかかわりの中で輝いていくんだということも学びました。
その彼が、昨年23歳で亡くなったそうで・・・ご両親が彼の命のあかしだと、追悼集を贈ってくださいました。クリスチャンのご両親ならではのあたたかい文章で彼の生きた証がまとめられています。
そして彼のたくさんの写真。すべてが笑顔のその写真から「生きることって楽しい!」と彼が言っているようで・・・・ぜひ多くの方に読んでいただきたい本です。
小塚和基追悼集「こころ通わせて」編集・小塚朝生・くみ子
お問い合わせ・イーグレープ 03?3261?2141 1200円+税